愚者之夜

フールナイト

死期が近い人間の肉体に種を埋め込み、 植物へと変える技術――「転花」。 それは、人類が生き延びるために選んだ手段だった。   ぶ厚い雲が空を覆い、 冬と夜ばかりになった遥か未来の地球――。 ほとんどの植物は枯れ果て、 酸欠状態に陥った人類は「転花」によって得られる わずかな酸素に依存する社会を築く。 貧困に苦しむ青年・神谷トーシローは 税金、生活費、そして精神を病んだ 母の薬代のため懸命に働き続けるが、 無慈悲な現実は、次第に彼から希望を奪っていく。   ――生きてて…楽しいことなんか、ひとつもない――   光なき世界で彼が選んだのは、 人間が姿を変えた植物――「霊花」になる道だった。   人として生き続けるか、 苦しみを捨て植物として新たな生へ踏み出すか。 あなたならどんな選択をしますか?

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